石田恭子

 

1.廃校ホテルを活用した若者層向けイベントや企画アイデア

 

 ユクサおおすみ海の学校に宿泊してみて、廃校ホテルは婚前旅行の宿泊先として持ってこいなのでは?と感じた。大抵の交際相手は自分と同じ学校出身者ではないので、「もしもあの人と同じ学校で過ごしていたらどんな感じだったのかな~」と一度は想像すると思うのだが(少なくとも私はする)、廃校ホテルに泊まることで、「学校という空間に一緒にいられるという体験」ができるのが大きな魅力だと感じた。また、学校の設備がそのまま残っているので、それが自身の学生時代の記憶のトリガーになって会話が弾み、お互いのことをよく知るきっかけになるのではないかと思われる。ユクサに関しては、景観がとてもよく、二人だけの静かな時間も過ごせるし、アクティビティも充実しているので共同作業の思い出もできやすいはずである。また、記憶に残る宿泊体験になれば、子どもができたときにまたもう一度訪れたいと思ってくれる可能性も高いと考えた。

 

 

 

2.遊休耕作地(畑)を活用した観光プログラムのアイデア

 

 キャンプの中で、「プロダクトにはストーリーが必要である」という話が印象的だったので、農業体験にも鹿屋でやることの意義を持たせる工夫が必要であると感じた。

 そこで、見学した畑の近くには荒平天神があるので、「ご利益」を前面に押した野菜を栽培・プロモーションすると人が集まりやすいのではないかと考えた。ただの農業体験というのは観光に来てわざわざやるにはハードルが高い気がするが、「あのご利益野菜を自分で植えられるなら!」という動機があれば、これを目的に鹿屋に訪れる人も出てきそうな気がした。(余談:私の地元には来運神社という名前の小さな神社があるが、湧水を飲むと運がよくなると言われていて、これを目当てに町を訪れる人もいるので、何かにあやかるという手法は一定数有効な気がする。)

 

 

 

 

3.鹿屋市やおおすみ半島に若者を誘致する仕組み

 

 鹿屋航空基地資料館を訪れる前は、太平洋戦争=教科書で習ったもの程度の認識でしかなく、実をいうとあまり興味があったわけではなかったのだが、キャンプを終えてから繰り返し思い返すのはここの資料館の見学のことだった。それまではただの知識でしかなかったものが、私と同世代の人たちが生きていた証を見聞きし、戦争の歴史を生々しく感じるようになったからである。鹿屋固有の戦争経験は、この地を訪れるりっぱな動機になりうる。鹿屋平和ツーリズムの参加者は、特に日本史専攻の教員養成課程の学生を募集すると、後世に語り継ぐという点でいい影響があるのではないかと思われる。具体的な内容としては、資料館での語りや当事者の思い出話以外に、戦時中の生活を体験するというプログラムがあると鮮明に記憶に残りやすいのではないかと考えた。鹿屋には、昔ながらの空き家が残されていたり、さつまいもや米等の当時よく食べられていた食べ物が身近にあったりするので、戦時中の疑似体験もしやすいはずである。このような平和ツーリズムを通じて、今の世代が感じたことを次の世代に教えていくことができるのではないかと期待する。