芝原 由貴

 

 鹿屋を訪れて、大学生から 30 歳までくらいの、これから社会に出る/社会をつくる世 代の人に来てほしい場所だと感じました。

 「ある国が海面上昇の危機に瀕している」「日本は少子高齢化が課題だ」とニュースで 聞いても、自分事に感じるのはなかなか難しいものです。けれど、朝にユクサの校庭を散 歩して砂浜に降りて海を眺めたり、商店や畑で地元の方と話していると、「この海がずっ と綺麗であってほしい」「この地域の住民の方がずっと幸せに暮らしていてほしい」と素 直に感じました。

 

 そう感じたのは、滞在拠点のユクサと、自然・地元の住民との距離がとても近かったか らです。鹿屋は、自然環境があってそこに地域の暮らしがあって、だからこそ地域は魅力 的で、観光産業という経済活動も成り立つのだということを、肌で感じ、学べる場所でし た。農業での獣害のお話も伺い、(観光だけでなく)経済活動は、自然環境や地域の暮ら しと共にあるべきものだと改めて実感しました。それを実現する新しいアイデア、 「Transforming Our World」を実現する新しい方法がいま求められているとも感じました。

 

 PCO で働いていますが、世界の若いリーダーが集まる国際会議を担当する際には、鹿屋 はユニークベニューとして絶対に提案したい場所です。これから社会を担っていこうとい う立場にある人々に、『SDGs とは』を感じ『様々な地域がたくさんの課題を今も今後も抱 えていく世界をどのようにつくっていくか』を考えるきっかけになる体験(滞在)を与え られる場所だからです。

 

 会議を開催することが、経済効果等に加えて、「課題先進地でありながらその課題に地 域の方と一緒に前向きに取組み、『SDGs』『Transforming Our World』を実践する鹿屋 市」というブランディングにつながります。そこから SDGs 教育に関心の高い層の来訪に もつながっていくと思います。

 

 海外の若者のサマーキャンプの場に選ばれていて、実際に SDGs という趣旨に合うと訴 求できる実績はあると考えます。MICE の誘致にはそういった実績に加えて、実際に会議 を誘致する・開催するというタイミングが来たときに差し出せるプランの準備が必要で す。国際会議を受け入れる体制(バスの運行や、農業体験など観光プログラムをアレンジ した体験プログラム、会議を行うときの体育館のレイアウトなど)を整え、提案できる形 に準備しておけたら良いなと思います。

 

 

  

 最後に、もう一つ強く感じたことは、「一人一人の本気の『愛』が、きっと世界を変えていく!」ということです。猪や猿を狩猟することなく共生はできないのかという意見や 農福連携の案など、そういう考えがあることは多くの人が一応知っているけれど、「本気 でこんな世界を実現したい」と願い、動こうとする人がいることが、きっと素敵な世界を 作っていくはずだと本当に思いました。一人一人のキャンプ参加者が想いを語る姿はとて もきらきらしていて、そんな人たちに出会えたことが私はすごく嬉しかったです。